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小白竜 小日向白郎

私が最初に中国武術を習った先生は
日本に留学し大学で、
中国で活躍した日本人馬賊について論文を書いた人でした。
また、ある先生は馬賊、伊達順之助に心酔していると聞いたので、
私も、「闘神」伊達順之助伝を読みました。
今回、「日本軍の金塊・馬賊王小日向白郎の戦後秘録」
関浩三著を読みました。
私は以前から、小日向白郎を知っていました。
武術の雑誌に武当拳の達人で中国で馬賊として活躍したと
書いてありました。
しかし戦後も様々な活動をしていたことを
この本で知りました。
この本の出だしは、このようです。
「この国の政(まつりごと)が、無様さをさらし続けて久しい。
まるで不実で、国民との隔たりは埋めがたいのである。」
という痛烈な言葉で始まります。
著者は、この国をなんとしても蘇らせるため、
過ぎし日の先人に目を向け、それを掘り起こしてくれています。
馬賊は盗賊や匪賊ではなく、百姓の自警団として始まったものです。
義侠心で事にあたり、民衆から尊敬されていました。
命を張って民衆の自治と生活を守る者たちのリーダ―の中で、
それと思しき者に対して民衆は小白竜の名を与えました。
尚旭東という中国名を持った白郎は小白竜とも呼ばれました。
それだけ民衆に支持されていたということでしょう。
米中国交樹立の際、その情報をいち早くつかみ日本にもたらし、
最初に尖閣諸島や竹島の問題が起きた時、
これを守ったのは小日向白郎です。
彼は「武は争いのためにあるのではなく、矛をおさめることにある」
「義氣千秋」「除暴安良」という言葉を残しました。
彼のように情報収集力と行動力がある人が日本に百人いれば・・・。
今日の日本は違っていたでしょう。

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