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小日向白郎2

馬賊戦記 朽木寒三著より
小日向白郎は馬賊生活25年の間、
ただの1度も決闘に敗れたことがない。
決闘は腕や技で勝つのではない。
人間の全身にみなぎるエネルギー、ほとばしる精気、
そして全人格的な“重さ”が相手を制圧した時に勝つのである。
”強さ”というのは単なる武術や武技の優劣にあるのではない。
この信念は時と共に白郎の内部で不動の信念となり確信となった。
彼が遊撃隊の隊長となるとただちに3ヵ条の隊規を定めた。

1、絶対に婦女を犯さぬこと。

2、縄張り内での悪事を禁ずること。

3、たとえ敵に対しても、私闘を固く禁ずること。

この3つに背いた者はただちに死刑という厳命であった。
白朗の遊撃隊が村を通ると、娘たちまでもが道に出迎えたといいます。
白朗の隊長になってからの初仕事。
村の3人の長老が来て言うには、
村に張氏という豪族がある。
隣村の豪族との間に長い紛争が続いていたのだが、
このたび相手方が公営府の役人にワイロを使い、
張氏に通匪の汚名を着せて訴え出、
役人も心得て張氏を留置所にぶちこんでしまった。
我々は金を使って救い出そうとしたが、
先方には充分のワイロが届いているし、
張氏に対しても公然と死刑にすることはできず、
結局は牢死させる魂胆で虐待を続けている。
このままでは死んでしまうので、
旅先の白朗のところへ駆け込み、
救出を願い出たしだいと。
そして白朗は五十騎の部下と共に、
銃火をくぐって突撃し、囚人を一人残さず助け出した。

ここに中国の昔から今に至る問題の一端があらわれています。
役人が民衆からワイロや高い税をとったりしていじめぬくということです。
それに対抗して発生したのが、保衛団や遊撃隊(正統馬賊)です。

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