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水と生命生命とは何か? 18 たま・玉の生命原理
たま・玉の生命原理
古来の日本は、たまという考えがある。玉には、“たま”がやどり、玉が“たま”の象徴と見なされていた。玉は、“たま”を具象化した物体である。玉は、命の基礎であり、玉が“たま”として働かなければ、生命活動が示されない。玉の文化は、日本独自ものではないが、勾玉の起源をめぐり、日本の考古学者や古代史学者が研究をしている。勾玉には、縄文勾玉と弥生勾玉があり、両レベルにおいて、日本列島起源説と朝鮮半島起源説がある。縄文勾玉については、日本自生説に傾いているが、どちらに起源があるかは定かでない。
しかし、日本が勾玉を含めた玉文化があったことは、『古事記』・『日本書紀』・『万葉集』から言っても確かである。「たまの命(霊力)発現は、凝縮した玉の輝きにおいて視覚的なイメージを獲得し、かくして玉は人体とともに、たまをやどす典型的な物体であり得たのでないか(34)」と中村禎里氏は述べている。『日本書紀』の平安初期訓においては、景行紀で「識性」を、雄略紀では「神」を、孝徳紀では「識」をタマシヒと訓ませている。