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水と生命生命とは何か? 39 水が循環する地球
第三節 『水が循環する地球』
地球は、“水びたしの惑星”ともいわれる。地球表面に存在する全水量は、14億立方㎞(地球表面の4/5は海水)に達し、その97.5%は海洋の塩水である。残りの2.5%が淡水ということになるが、その大部分(70%)は氷雪であり、南極やグリーンランドなど地球上の非常に偏ったところに存在する。氷雪以外の淡水は、地下水・土壌水・湖沼水・河川水および水蒸気に分類されるが、一般的に利用可能なのは湖沼水・河川水・地下水の一部にすぎない。人類にとって有用な水量は、ごく限られていることがわかる。
水は幾度でも再生できるめずらしい資源である。これは人類にとって大変好都合なことである。太陽熱によって地球表面から蒸発した水分は雲となり、雨となって再び地球表面にもどってくる。海面からも、つねに水蒸気が発生して雲になっている。その水蒸気には、塩分は含まれない(真水)。雲が雨となって海にもどり、大地に降る。このような水の循環は、地球の創成以来休むことなく続いている。地球は、水が液体で存在しうる絶妙な位置にあり、地球内で水を循環する地球は巨大な水槽である。
この水の循環は、今の自然環境を守っている。森林は真水を培い、その水は動植物を培い、そして人類を培う。われわれは、真水の再生循環によって生かされている。
地球を太陽系からみると、奇跡的な星であり、45億年の歴史の中で私たち人間が生まれている。地球は、水を中心とした生態系が保たれており、水なしでは今の生態系はあり得ない。私たちは、この地球この環境をもっとリアルに感じ、感動をして生きていけば、生命の尊さを感じることになるのではないだろうか。地球が水の惑星であること、身近な水というものをもっと深く考えていきたい。